2007年12月13日木曜日

八ヶ岳と富士山の伝説

( By courtesy of Sawa. Modified by Kuwabara )


 
富士山は、威張り屋で、いつもまわりの山に向かっては「私が日本一高い山のですよ」と、自慢していました。

ところが、ある日のこと、遠くから、
「日本で一番高いのはこのわしじゃ」
と、八ヶ岳の男の神様がさけんできました。
「いいえ、わたしです。」
「いや、わしじゃ。」
富士山と八ヶ岳は、自分のほうが高いんだと言い張って一歩も引きません。



この様子をごらんになった阿弥陀如来様は、
「神様同士が争いをするなんて、困ったものだ」
と、顔をしかめました。
そこで、富士山から八ヶ岳まで長いトイをかけて、水を流すことにしました。

トイは富士山から八ヶ岳までかけられ、真ん中から水が流されました。
富士山と八ヶ岳の神様は、ドキをムネムネさせながらじっとみまもりました。
さあて、水はどちらへ流れたでしょう。
あっ!水はピシャ、ピシャと音をたててどんどんと富士山の方に流れていきました。


 
大変なことになりました。
富士山は黙っていません。
「そんなことがあるものか…。ああ、ぐやじい!!」
ありったけの力で八ヶ岳山をけとばしました。
ガアーン!天も地もこわれるほどの、どでかい音がしました。
ガラガラ、ドカーン、ズダーン、ズーンズン!!



 
八ヶ岳は山頂から崩れ落ち続けました。
そして、何日も続いてやっと止まりました。

いまも八ヶ岳が八つに裂けていて、富士山より低いのはこのためです。